天 然
6月になりました。あっという間に梅雨がやってきました。道ばたの紫陽花が本当にキレイです。一昨日は、じめっと暑い一日でしたが、風に乗ってどこからともなく、くちなしの花の匂いがふうっとしてきて、なんとも色っぽい気分になりました。
このところ不思議なことやおかしなことばかりが起きています。起きている・・・というより、自分で起こしているのかもしれません。この間は久しぶりにとんでもないことをしました。
夜7時頃、家に帰ったら、鍵が開かない。キーホルダーにつけている鍵を間違って差してしまったのかしらん・・と思って、何度も確認したけれど、いつもと同じ鍵です。10分くらい頑張ってみたのだけど無理なので、これは不動産屋さんに電話するしかないと思いました。(私の住んでいるところは賃貸なので)
不動産屋さんに電話すると、すごくびっくりされました。そんなことは未だかつて聞いたことがありませんと言われました。そりゃそうかもしれないけど、現に今、起きていることだから、そうは言われても・・・と心の中で思いました。それでちょっと必死になって、「でもこのままだと野宿になってしまうので、どうしたらいいでしょうか?」と助けを求めたら、「それでは鍵屋さんを紹介しますから連絡してみてください」という助け船をいただきました。
ホッとして、鍵屋さんとやらに電話しました。鍵屋さんは、すごく親切で、「すぐにそちらに向かいます!」と、緊迫した私の様子に疑うことなく同じテンションで応じてくれました。助かったあ。私はこれで、鍵を修理することになっても家に入ることはできる!と確信を得たので一気に安心しました。そうしたら、安心と同時に、トイレに行きたくなってしまいました。
鍵屋さんは30分後くらいに到着すると言っていたので、その間に、スーパーか駅のトイレに行こう!と心に決めて、そのくせ、往生際の悪い私は、また鍵穴に鍵を差し込んだりして、そんなことを数分やった後、エレベーターに乗りました。そのとき、何かいつもと違う違和感を感じました。エレベーターの階数表示がいつもと違う。「7」という数字が出ています。・・・私の家は8階です。
そのとき、はじめて私は、とんでもない間違いをしていることに気付きました。つまり私は、7階の他人の部屋の鍵を開けようとしていたのです。しかも「開かない!」なんて言って鍵屋さんを呼んだのです。
そのあと、到着した鍵屋さんに、ごまかせなかったので本当のことを伝えました。なんて謝罪したか覚えていないくらい、謝りました。(当たり前です)鍵屋さんは本当にいい方で、「本来ならキャンセル料をいただくんですが、今回はいいですよ」と優しく言ってくれました。そして、もちろん、苦笑いをされていました。
ああっ・・・・。本当に人の情が身にしみたなんてもんじゃありません。ありがたいのと申し訳ないので、その後は、こんな私でもいつになく深く反省をしました。
後日、周囲の人にこのことを話すと、「やっぱり・・・」とか、「・・・天然」とか、呆れた声ばかり。
我ながら、(大丈夫???)と思った、私なのでした。
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