2003.2.7

いざるくん

 
 立春も過ぎ、今日はようやく春めいてきました。春めいてくるとちょっと心配なのは、花粉症。。。昔は、アレルギーというのはどういうもの?なんて他人事のように思っていたのに、今はすっかり私も仲間入りしました。寝不足とか体調の悪いときはてきめんに花粉症がやってきます。今年はいつもの1.5〜2倍という前情報を聞いてしまうと、気のせいかとっても苦しくなってくる。前情報というのはあんまりなくてもいいのにって思ってしまう。ドラッグストアでも、いつもよりずっと早く花粉症対策の薬が売られていて、そういうのを見てしまうと必要以上にドキドキしちゃうのです。
 ・・・ドキドキと言えば、今の世の中、なんだか心臓がドキドキすることばかりあるので、ひと頃よりも「たいくつだあ〜」なんて言っている人が少ないような気がする。退屈とか言っている人が多かった時代は、平和だった証拠なのかなあ。ニュースを見ても、日本の国の中の出来事もドキドキするけれど、世界のニュースはもっとドキドキして心臓が飛び出そう。このところのドキドキは「ワクワク」では全くなくて、本当に心臓に悪いヤツ。できれば目の当たりにしたくないドキドキですね。。。
 そんな時代だから、今は、ゆったりとしたものや事や人が心から大切です。そして、私にとっても、ゆったりしたペット「いざるくん」がとっても大切なのです。
 いざるくんというのは、イザリウオ。魚なのだけど、魚じゃないみたいな風貌。アンコウにちょっと似ているのだけど、それよりもっと進化しているような、ちょっと恐竜チックな魚です。体長10センチくらいのいざるくんは、手と足があって(手というのか足というのかわからないが)それらを使って水の中を這って歩きます。泳ぎはあんまり上手ではなくて、時々、消化不良を起こしたときなどに排泄のために泳いだりしているけれど、それ以外はず〜っとのそのそと這って歩く。食べ物も生きている小魚とかを食べます。いざるくんは、もっぱらモエビを一日一匹だけ食べます。それも一緒に住まわせてしまうと際限なく食べてしまうので、別の水槽からモエビを一匹すくって食べさせます。アンコウのように、鼻のところからピコピコするアンテナみたいなのが出ていて、それをユラユラさせて獲物を捕ったりします。でも、私の飼っているいざるくんは、獲物を捕るよりも、ごあいさつをするためのピコピコ。「おはよう!」と言うと、ピコピコ!「お腹空いた?」と聞くと、ピコピコ!とにかく、水槽を覗いて話しかけたりするとピコピコします。それから、知らない人が来たりすると、大慌てで岩陰に隠れたりします。目は人間みたいに、くるんと動かすことができるので、こちらが見つめると、ちゃんと目を合わせるのです。
 という風に、こんなコミュニケーションをとってくれちゃうと、魚なんてもんじゃありません。一緒に散歩はできないものの、こうなるとイヌやネコとおなじように、かわい〜いペットなのです。
 なんと言っても、いざるくんのすごいところは、どんなときでも泰然自若としているところ。餌を採るときや知らない人が来たときはちょっと様相が変わるけれど、それ以外は常に淡々と、じ〜っとして、ぼ〜っと一日を過ごしているのです。そんな姿を見ていると、(人間というのは、どうして浅はかなのかなあ・・・)と考えさせられることばかり。いざるくんを観察していると、学ぶことがいっぱいあります。