ぼくの好きな先生
昨日、テレビで地震の特別番組がやっていたらしい。でも、見なかった。それはなんでかというと、地震がとても恐いから。。。2時間の番組だったからいろんなことを検証して、大地震が起きたときのアドバイスもしてくれたに違いない。自分の見たくないものは見ないなんて、かなり子どもじみているけど、それを見てしまって心配ばかりしてしまうことを考えたら、起きてからどうにかした方がマシっていう考え方はよくないのかなあ。・・・そんなことを考えながら夕べは神妙な気持ちでベッドに入ったけれど、やっぱりあっという間に眠りについていた。
そんな昨日は強い雨の降る中、ずっと楽しみにしていた映画が封切りされたので観に行った。「ぼくの好きな先生」(仏題:etre
et avoir)です。公開2日目の昼間だったので小さな劇場は満席だった。この映画はフランスのある村の小さな学校の3歳から11歳までの生徒13人とその学校のたったひとりの先生であるロペス先生の物語。物語と言ってもこれはドキュメンタリー映画なので、実在する子ども達と先生の話です。いやぁ、ほんとうにいい映画でした。すばらしかったです。子ども達13人がそれぞれに「違う」ということがきちんと捉えられていたし、何よりもとても可愛い。小さい子と大きい子がほぼ半々でひとつの教室の中に二つのかたまりを作って勉強をしているのだけど、小さい子たちの中にも大きい子たちの中にも、自分の子どもの頃を重ねてす〜っと入っていけて、まるで自分もロペス先生の生徒になったような気分になる。55歳のロペス先生はあと1年半で定年退職を迎える大ベテランの先生だ。見た目は少しジャン・レノに似ていて品があり威厳もある。でも、ほんとうに子どものことを好きなことがわかる。だから子ども達もロペス先生が大好きなのだ。小さい子が「ムッシュー」「ムッシュー」と可愛い声で何度も呼ぶところがとても可愛い。中でも、ジョジョ君という3歳の子はとても面白く、とびきり可愛い。同じ年のマリーは何でもできてお姉さんぶっているところが面白い。観ているときは小学校だから6歳からなのかなあと思っていたら、小さい子は幼稚園の子たちのようだ。3〜4歳が字を練習したり、コピーを自分でとろうとしたりするのだから、今の子はすごいなあ。10歳以上の子ども達にロペス先生が話すことは、とても哲学的だ。お説教するときもまず最後まで子どもの話を聞き、そして先生はまっすぐに意見を言う。ボス的な男の子がふたりで争ったときに先生がふたりに話す話には涙が出てきた。自分を表現する事ができない11歳の女の子に対して話すときも涙が出てきた。なんで涙がでてくるのかなあって思ったら、まるで自分に話してくれているような気分になったからだろう。ロペス先生はひとりひとりを認めている。どんな子にもいろんなところがあることを認めている。強いところも弱いところも人間にはあることを教えてくれている。だから強い子たちに叱るとき、弱い子を励ますとき、観ているこちらが両方で涙が出てくるのは、自分にもいろんなところがあるからなのだろう。
本当にいい映画です!このHPを読んでくださった方にはぜひ観てほしいです。
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