相 性
昨日、吉祥寺で画家のこばやしなつこさんの「かるた会」があった。なつこさんのかるたは、ユニークでクスッと笑えるところが大好きなので、その「かるた会」とあって私は気合いを入れてでかけた。
「かるた会」は17:00からだったので、地元から16:00過ぎの高円寺行きのバスに乗り、JRで吉祥寺に行き、ほんの少しだけブラブラしようと思っていた。バスに乗車するとき、バスカードがなかなか入らないでモタモタしていると愛想のいい運転手のおじさんが、にっこりと微笑んでカードを入れ直してくれた。
環七は混んでいて、とってもノロノロ運転。日曜の夕方だし、雨だから仕方ないよねーと窓の外を眺めていた。すると突然、おじいさんの大きな怒鳴り声が。「なにやってんだよ!!降りるんだよ。止めろよ!」。ドキドキ・・。すると運転手さん、「申し訳ありません。ここで停車いたします」・・・と、停留所でないところでバスを停めた。(えっ??こ、こんなのアリですか?)環七でこんなことできるんだ・・とビックリしたんだけど、おじいさんは静かに降りていったので、ホッとした。それにしても、運転手さんったら、ぼうっとしていたのかな・・と前を見た。今まで気づかなかったけど、もうひとり運転手さんらしき男性が左前の席に座っている。もしかして今日は試験?運転手の試験なの?そうか、そうに違いない。
勝手にそんな判断をした瞬間から、ちょっと心配になってきた。この運転手さん、大丈夫なのかなあ。無事に高円寺に着けるのかなあ。ちょっとビクビクしていた。
心配はしたけれど、無事に高円寺に到着。JRで吉祥寺に着いた。会場までの地図のプリントを持ってこなかったので、うろ覚えの住所を手がかりにテキトーに歩いていた。こういうところが私のいいかげんなところで、どうにか歩けばいつかは着くよっていう甘い考えがどこかにいつもあって、わりと方向オンチなくせに用意周到でないところがある。頭の中に入っていると思われる住所を頼りに電信柱を見ながら歩いていた。ところが思っていたよりもわかりにくくて、17:00を過ぎてしまった。もう始まっていたら悪いなあと思いつつ、なつこさんに電話をかけてみた。彼女と彼女のおともだちから二重にうかがったので、「ばっちり!」とまた歩いてみたけど、言われていた目標物にぜんぜん出会わない。雨もけっこう降ってきた。
(おっかしいなぁ〜〜)。へんなところに気の長い私は、この時点でも(すでに20分歩いている)あんまり焦っていなくて、だけど「かるた会」は明らかに始まっているし、しつこく電話をするのは悪いから、さっき聞いたとおりをとにかく自力で探してみることにした。
夕方で気温も下がってきて、冷えてきたおかげで、トイレに行きたくなってきた(このフレーズは以前の日記にもありましたネ)。すぐ近くにあったデパートに入りホッとして、それからまた、気を取り直して歩き始めた。・・・でも、いっこうに目標物が見つからない。
行ったら戻れないネコのように一直線に歩いていて、突然、はたと気づいた。(あれれ、もしかしたら私は全く正反対を歩いているんじゃないの?)。そう思って、一目散に来た道を引き返した。ちょっと小走りで。でも、スニーカーを履いているので雨の道もへっちゃらへっちゃら。ちょっと狭い歩道なので、前から人が来たときだけ注意しないとねぇ・・。そう思っている矢先、斜め掛けのバッグがガードレールに引っかかった。あっ!そして私は雨に濡れた道で転んだ。い、いたい・・・。予期せぬ出来事でしばし呆然とした。雨で洋服はびっしょりになったけど、不幸中の幸いでケガはまったくなかった。。。
あーーーーーーーーー・・。よろよろと起きあがった脳裏には、なぜかわからないけど、行きのバスの運転手さんの微笑みが浮かんだ。
あの人と私の今日の相性がバッチリのような気がしてきた。
もちろん、わる〜い意味でね・・・。
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