2000.10.6

手のりバッタ

 毎日書きたい出来事がわんさかわんさか出てくるのに、さぼってしまったらもう10月になっていました。今年もあと2ヶ月足らずなんだなァって考えると、早かったと思うけど、でもこの1年はいろんな出来事があって長かったような気もする。と書いていると、まるで「1年の閉め」をしているような感じになるのでこの辺りでやめよう。
 タイトルとは関係ないけれど、昨日、高校時代の女友達7人で久しぶりに集まった(壮観!!)。もうだいぶ会っていなかったので、みんな高校時代と変わったかなあ?って思ったけど、全然変わっていなかった!相変わらずキレイで可愛いかったから本当に嬉しかった。同い年の女性、しかも10代の頃からの友達が変わっていないというのはすごく嬉しいし、安心する。自分も変わっていないよネって思わせてもらえるのが、とってもありがたいのです。
 そういう初秋の一日があったりして、和やかムードにもっと花が咲いたのだけど、そのムードの口火を切ってくれたのが「ガーデニング」です。
 1ヶ月くらい前に研究室の屋上に「だいこんの花」を移植することになった。だいこんの花は、線路沿いとかで春に見かける薄紫の愛らしい花。その花が春になって屋上にもいっぱいになればいいという先生の意図で、土を買ってきて植えることになった。それが一段落してからは毎日のように花の種類が増えて、花が増えたと思ったら今度はこおろぎをつかまえてきて放したり、そのうちに小さい「池」を作ってそこで熱帯魚を飼うことになっていた。野外で熱帯魚を飼うなんていうことが本当にできるのかどうか不安でいっぱいだったけど、温度調節をする素晴らしいものがあったり、3日分の餌とかいうのもあったり、ガラスでフタをしたり、魚を飼ったことのない私には毎日が新発見!で、仕事中、ついつい何度も屋上に行ってしまう毎日なのだ。小さい池の中で元気そうに泳ぐ魚たちの姿を見ていると、全然飽きない。時間があれば、何時間でも見ていられる。そして見ているうちにそれぞれの魚の特徴や性格がなんとなくわかってくると余計に面白い。魚にも社会があって、生きていくためにはいろいろ苦労もあるでしょ?って思ったりして妙に感慨深い。
 その魚以上に私にとってかわいいのは、「手のりバッタ」なのである。「そんなバッタっていた?」って言われそうだけど、そこには、たった1匹だけ、なぜか私の手に乗ってくるバッタがいるのだ。そしてそのバッタは手のひらを歩いたり指先にとまっていたり、こちらがじっとしているとかなり長い時間とまっている。バッタは数匹いるのだけれど、手に乗ってくるバッタはその子ひとり(?)なのである。男か女かわからないけど、とりあえず、バタコと命名した。そんな風になつかれると、不思議なくらい愛情が出てきて、屋上に行くとバタコをついつい探してしまう。バタコは私にとっての癒しグッズみたいですね。

2000.10.19

歩くの大好き

 気持ちのいい秋晴れの、この頃。仕事をしているなんてホントにもったいない。毎朝、いつもの通勤電車と進行方向が反対のホームに行きたくなってしまう。こんなときに山とか川とかの足元の悪い道をのんびり、ぼ〜っと歩くと気持ちいいだろうなあ〜。そういう誘惑にかられながらも、日々のちっちゃなお金を稼がないと食べていけない私は、あきらめて通勤電車に乗っている。
 落ち着きがない性分だから、歩いたり動いたりするのが大好きで、休みの日なんてまともに家にいたことがない。目的がなくてもそこら辺をウロウロ歩き回っている。台風とか大雪とかそのくらい天気の悪い日以外は外を歩いてる。
 風邪を引いたり、病気をしても、「外に出たいよぉ」という野性動物のような強い願望により、たぶん普通の人よりも治癒力が高いと思う。私にとって外を歩くことがどんなことよりもストレス解消になっていると思う。
 今の季節は、金木犀の香りはだいぶ薄れてしまったけれど、銀杏の葉っぱが暖かい色に染まってきて青空とのコントラストが鮮やかでハッとしてしまう。道ばたで野生のコスモスに出会うこともなくなってしまったけれど、それでもたまに誰かに植えられたコスモスに出会うと、胸がキュンとするような秋を感じる。
 ぼ〜っと歩いていると、いろいろな発見があって面白い。VOWシリーズの本じゃないけれど、奇妙な看板に出会ったり、不思議な店を発見したり、変わった生き物に遭遇したりする。変わった生き物は犬や猫のこともあれば不思議な人だったりすることもある。
 私は猫好きなので、猫の動向が気になって仕方ない。追いかけてもつかまえられないから、なおさら、猫の動向は気になってしまう。
 日曜の昼下がりや、ちょっと早く仕事から帰る日に、必ず出会うご近所の猫がいる。その猫の体格は人並み(猫並み?)外れていて、大げさじゃなくて今まで出会ったことのないくらいのファットボーイ(ガール)なのだ。なんか動くのが辛そうで辛そうで、そのまんま転げていたほうが楽なんじゃないかなあって思うくらい。始めて会った時はただびっくりしてしまって、じ〜っと見つめてしまった。飼い猫なのか、野良猫なのかわからないけれど、でも穏やかそうな性格やきれいな毛並みや、そして栄養の行き届きすぎた感じから、どうみても裕福な飼い猫なのだと思う。
 至近距離に近寄って挨拶をしても全く逃げない。だからしばらくの間、ファットボーイ猫と対面していた。
 それから何度も何度もそのファットボーイ猫に遭遇するのだけど、始めて会ったときのことを覚えていてくれるのか、必ずファットボーイ猫は私と目が合うと「にゃおぉ」としゃがれた声をかけてくれる。お返しに何かおいしい物をプレゼントしようかなと思うけれど、あれ以上、ファットボーイにしてはいけないからやめることにする。
 歩くのは楽しい!出会いや発見は歩かないと見つからないから。