カメラと南部鉄瓶
兼ねてからほしかった一眼レフカメラを買った。一眼レフカメラというと、ものすごく高価で大きさもかなり大きいというイメージがあった。しかし、今やそんなことはない。私の買ったのはオリンパスのカメラなのだが、軽くて、割にコンパクトで、しかも思っていたよりもほんの少しだが安価だった。APSフィルムを使い、カートリッジも途中交換できるもの。ここで自慢しちゃうけど、ホントに嬉しい。
今まで私が使っていたカメラはCONTAX・T2。とても気に入っていて長年愛用している。顕微鏡レンズを使っているところがいい。見かけも格好いい(と私は思っている)。街並みを撮ると、ハッとするような写真が結構な確立でできあがるし、特別な技術なんてなにのに空気や音を感じるような写真になるときがあるのだ。そんなに気に入ってるのに新しいカメラを買ったのは、一眼レフっていうものをどうしても使ってみたかったら。これからはCONTAXと、一眼レフを使い分けようと思う。(どうやって使い分けるのかよくわかんないけど)
急にカメラ小僧になったような気分。買ってから、すご〜く嬉しくて、新しいカメラの説明書と一緒に何日間か添い寝していた。(いつの間にか眠ってしまったというのが正しい)
青い空が広がる秋の一日には仕事をさぼって、被写体を求めてついフラフラ〜っと逃亡したくなってしまう。
それでも、一枚目の被写体はかなり吟味しようと思った。そういうどうでもいいところに、どうしようもないこだわりのある私。そうなると、フィルムを入れてしまった以上、シャッターを切って遊んでみることができなくなった。あ〜〜、とにかくはやく何かを撮ってみなきゃと気が焦った。
この間の日曜の夜、ほんの少し部屋の模様替えをした。そしてテーブルクロスも秋らしくしてみたら、テーブルにのせた南部鉄瓶の急須が存在を主張した。赤茶色で桜の花がちりばめられている可愛らしい南部鉄瓶は、私の一番のお気に入りの急須である。なにかこの急須に「私を撮ってくださいませぇ」と小声で囁かれているようなそんな不思議な気分になった。もう夜中なのに、一時間ばかり鉄瓶さんをどう撮ったらいいだろうと、いろいろ試案していた。こっちの角度がいいかな・・とか、後ろには緑を置いてみたらいいかな・・とか。でもシャッターは切れなかった。なんだか考えすぎてわかんなくなってとても疲れた。私も疲れたが、あちこちに移動させられた鉄瓶さんもお疲れのように見えた。あれこれ悩んだけれど、日光の光を少し入れなければこの被写体の良さを引き出せないと思ったので、寝ることにした。
次の日の朝、気持ちよい秋晴れになった。光がまだ少しだけ差し込むテーブルで、昨晩試案した構図とは全く違う構図で鉄瓶さんを撮らせていただいた。
写真ができたら公開いたします!これからはこのページに少しずつ写真を掲載しますのでどうぞ見てやってください。
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