京都の旅
10月5日の「待合い室の人々」。覚えてますか?
あのときはとても面白くて眼科の待合い室風景を書いてみたけれど、そんなことをしていたらバチがあたってしまった。
その後ちょうど1週間ほどのち、とんでもない病気にかかった。アデノウィルス結膜炎といういわゆる夏の流行目なのだけれど、私のはひどくてひどくて・・・。2週間くらい、顔は腫れるし、角膜もひどい炎症を起こしてあんまり見えなくなるし、目は痛いし、人に会ってはいけないし・・・。こんなにひどいことになるなんて夢にも思わなくて、明けても暮れてもブルーな日が続いた。
健康っていうのは、なんてありがたいものか、こんな私でも感じずにはいられなかった。治った今だから言えるけれど、ちょっと謙虚な気持ちになれた数週間でもあった。
その結膜炎の諸症状が出なくなってから、前から予定していた京都の旅に出かけることになった。
これは研究室の旅行で、土日にメンバー全員と過ごすことになっていた。私はその2日前から仲良しのMさんと女二人旅を楽しむことを計画していたのである。
Mさんとは何年も前からの付き合いで、国内海外といろんなところを旅している。二人旅っていうのは始めてだったけれど、とにかく気心が知れているのでワクワク度も倍増だった。そして私たちの相性の良さは、ホテルの部屋でのお互いの動きが絶妙なタイミングでずれているところに大きく反映していた。これは「旅」を楽しむ上ではものすごく重要なことである。長い日数の旅になると、ある種の変な気を使い合っていたら楽しさは半減してしまう。ホテルの部屋は、旅の間は「我が家」になるのだから、そこでは思いっきりくつろぎたい。女二人旅っていうのは、どんな格好もあり!みたいなのがなんていっても楽しい。オフモードのときの波長が合わないと旅の宿では苦しいだけだ。このヘンの私たちの絶妙なバランスについてはあとで書くことにしよう。
秋晴れに恵まれた当日。東京駅で待ち合わせして私たちの珍道中が始まった。なぜか私たちの旅では変な笑いがつきもので、気がつけば「ゲラゲラ」笑っている。よ〜く考えれば大したことではないのだけど、どうも私の笑いのツボはめちゃくちゃシンプルのようだ。そしてもう会った瞬間から笑っていたら、東北新幹線・上越新幹線の改札を通ってしまいそうになった。あぶない・・・。
一抹の不安はあっても、今日の私はすご〜い安心感に包まれている。なんといっても、同行のMさんはかなりの「京都フリーク」なのである。一年に数度も京都に出かける彼女と一緒の旅は、大船(おおぶね)に乗った気になれた。京都は大好きだけれど、まだ3度しか訪れたことのない私は、全くと言って良いほど地理が頭に入っていない。そのくせ、行ってみたいところがたくさんあるから、次から次に「こっち」「あっち」とリクエストすると、Mさんは「それだったら、これこれこんな風な順番は?」というように的確にアドバイスしてくれる。美味しいお店もたくさん知っている。う〜〜ん、ステキ!頼もしさで新幹線の中で彼女の横顔を見ながら、惚れ直した私であった。
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