シンプルですっきりしたスタイルが好きだ。 これは多分に母の影響が強いのだろう。子供時代の私はいつも 白いシャツに紺色やグレーや黒っぽいスカートを履いていた。 (・・・というより「履かされていた。」) 靴もマンガが描いてある靴は履かせてもらえず、いつも真っ白の ズックかお出かけの時には飾り気も何もない黒の革靴だった。 ショートカットで、どちらかというと男の子っぽい顔だった私は 確かにフリルなんて着るような柄じゃないことは子供ごころに 分かっていたけれど、それでも仲良しのなおみちゃんが 可愛らしい服に身をつつみ、長い髪の毛をお嬢様風に 結んでいたりするとなおみちゃんがとっても眩しくって うらやましかった。ちょっと自慢のともだちだったのだ。 成長するにつれ母親の意向は無視して髪の毛を伸ばしたり、女らしい 格好をしてみたりもしたけれど、でもやっぱり私らしいものは母親の 思う通りのものだったんだろうなあ・・・ということがわかるように なり、この頃になってやっとそういうセンスに感謝する気持ちになった。 そんな私が「アニエス・ベー」を好きになるのも当然のことで、 アニエスは自分をより自分らしく仕立ててくれると思う。 「アニエス・ベー」はパリのファッション・ブランドで、カジュアルで シンプルな着心地の良い服作りをしている。そしてデザイナー自身の 名前なのである。アニエス女史はステキな40代。非常に聡明で知的な 人なのだ。売上金の一部はエイズ撲滅運動やイタリアの美術館再建に 使われたりする。またファッションだけに留まらず、「アート」から 世の中へのアプローチを柔軟に思考し実現させるためにギャラリーを 造ったりとactivityのとても高い人なのである。 シンボルマークは「トカゲ」で、アニエスはトカゲが大好きらしい。 日本の女の子が「可愛い」という物は余り理解ができないようで、 確かに「トカゲって可愛い!」という日本の女の子は少ないように思う。 アニエスのパンツを履くと思いっきり早足で歩けるし、ヒップボーンの 腰で履く型はシャキッとした気分になるのだ。これはホントにすごい!! 精神面に影響する「服のマジック」というのはかなりすごいものがある。 すっかり仲良しになったアニエスの社員「ハルカさん」。いつもいつも お世話になっている。今回のパリ旅行の前に、ハルカさんもパリに 行って来たので情報をたくさんいただいた。「フィガロジャポンは 持っていった方がいいよ!!」と教えてくれたのもハルカさん。 会うとしゃべるのが止まらなくなってしまう。 そんなわけで、友達もできちゃうアニエスなのである。