音 楽
8月31日、ギタリストの白柳淳さんのライブを主催しました。
白柳さんとは友だちの瀧ちゃんのパーティ(@軽井沢)で初めて会い、みんなと親睦を深める交流の場の中、白柳さんの奏でるギターの音だけが気になってしまい、人とのお話もそっちのけでかぶりつきで聴いてしまいました。人柄のいい白柳さんは、私の熱中している様子に演奏をやめらなくなったようで、何時間も演奏をしてくれました。そんなことがきっかけで仲良しになり、今回、ライブをすることになったわけです。
白柳さんの演奏の何が素晴らしいか・・というと、テクニックはもちろんなんですが、それ以上に心というか、一瞬の音をていねいに大切にしていて、まっすぐに心に響く音なのです。またオリジナルがとてもいい曲で何回も聴きたくなってしまう音楽なのです。彼の作曲のテーマは、たとえば、映画「ナージャの村」(チェルノブイリの原発事故で村を追われた人たちが放射線に汚染されている故郷の村に人間らしい生活を求めて生きるという映画)を観て、本橋成一監督の姿勢に感銘を受け監督に曲を送り、気に入ってもらい試写会で演奏することになったり、倉敷の大原美術館で見たギュスターブ・モローの「雅歌」というタイトルの絵に感動して、そのタイトルと同じ曲を作ったり、蛍や五月雨や川や藤の花や鏡池などの自然に感動をして曲を作ったり・・・とほんとうに感動していることで曲を作っているというすばらしさがあるのです。演奏はしっとりとしていて優しく大きく包み込んでくれるような音で、お話すると関西弁で明るく楽しくお話されるので、白柳さんのそのギャップも好感の持てる面白いところです。
彼の音楽を聴いていると、自分のピアノの腕ももっと磨かなきゃと触発されます。私は「eclair(エクレール)」という名前のピアノトリオ(バイオリン・チェロ・ピアノ)を組んでいて、年に数回、コンサートもしていますが、今年は6月に「FETE
DE LA MUSIQUE」というフランスの音楽祭で演奏してから、活動がおやすみなのです。メンバーのひとりが大学院生で論文のラストスパートに入り、練習している場合ではないので、ちょっとの間おやすみになったのです。だから今はすこし寂しい。はやくまた活動再開したいなぁ。コンサートで人前で演奏することは緊張しているけれどワクワク感がたまらなく気持ちいいのですが、でもそれよりも私は練習が大好きです。練習好きなんて変かもしれないけど、3人で、ああでもないこうでもない・・・な〜んて休日に合わせているとあっという間に一日が経ってしまいます。予定を何時間もオーバーなんて、しょっちゅうです。3人とも練習好きだから、やめるというタイミングを計れなくて、終わる頃には周りは真っ暗、すごく疲れてヘトヘトなんだけど、なぜかテンションだけはやたらと高くなっています。
子どもの頃から練習が大好きだった私は、練習するなんて思わずに遊びでやっていたんでしょうね。たとえば、後ろ向きでピアノを弾いたり、目をつぶって1曲を完全に弾いたり、雨の音・風の音・イヌの声・笑い声なんて音符に書けないような音を弾いてみたり、弾き語りしてみたり、勝手に作曲したり、そんな気ままな練習だったので、1日に何時間もピアノに向かっていることがふつうのことでした。もちろん、外でたっぷり遊んで家に帰ってきてからですけれど。親も「なにを弾いているのかなあ?この子は」ときっと思っていたんでしょうけど、「ちゃんと練習しなさい」なんて、一度も言われたことがなかったので、それが音楽を続けられた理由なのかもしれません。
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