「変身コーナー」開催!
以前、TVの「変身コーナー」を子供の頃とても好きだったと書いたけれど、その「変身コーナー」を実際に催してしまった!
先日、知り合いの男の子Tくんが、髪がどうの服がどうの、自分のことを急に客観視してブツブツ言っていた。それで私はピ〜ンときて「もしかしてデート??」と聞いたら、やっぱりそうだった。
それまでのTくんは全くそんなこと興味もなかったがそれなりにちゃんとはしていた。けれども、もうちょっとどうにかなりそうな感じであった。
そのTくんがそんなひと言を私の前で吐いたのが運のつき。好奇心がムクムクと身体中いっぱいに広がった。「ねっ、ねっ、ちょっとだけ変身する気ない??」その私の勢いに何かを感じとったのだろう。Tくんはたじろいでいた。しかし、彼の一言二言を聞いてしまった私の欲望が止まるわけがない。もうなんだか勝手にひとりで盛り上がっちゃって「しよう、しよう、変身しよう〜」なんて騒いでいた。
そこにちょうど、わりにセンスのいい男の子、Fくんが現れた。Fくんに話したら、彼もすごい乗り気になってしまって「いやあ、おもしろそうっすね。やりましょうよ、やりましょう〜!」と更にその案をヒートアップしてくれた。
その日からFくんと私は、Tくんのスタイリストになったのである。いつになく素直なTくんは、軍資金を用意して一緒に服を買いに行くことになった。しかしその額は「全身で1万円」ということであった。う〜む。確かに古着とかで決めるならそれも面白い。しかし、いまどきの古着は結構な値段がするのだった。バザーならともかく、古着屋さんではその値段で頭のてっぺんから足の先まで揃うのだろうか?しかし困難な望みほど叶えるのは面白い。いや、でもまてよ・・・。古着っていうのは、組み合わせが上手いと大成功だし、かなり格好いい。けれどもそういうのが苦手な人にとっては、果たしてその後、着回しっていうのができるのだろうか。・・などなどといろいろ考えた結果、「無印良品」に行くことにした。「無印」は、今や海外にも「MUJI」という名前で進出するほどビッグになった。ここにはステーショナリー、家具、家電、インテリア、食料品、家庭用品、そして服やバッグまで何でもある。無印を知らない人はいるのだろうか?っていうくらい、その品数の多さや店内の混雑にはいつも驚いてしまう。無印の服はベーシックで爽やかな感じで、安いけれどそこそこ組み合わせが上手ければ感じのいいっていう服である。
「全身で1万円」というちょっと人や物をなめているような要望も、Tくんの引いているように見えて実は押しの強い性格のおかげで、なぜか周りからの寄付が1万5千円もあった。Tくん、君ってすごすぎる・・・。つまり所持金と合わせて「計2万5千円」になったのである。いまどき、人の変身のためにこれだけの寄付が集まるなんて・・・。みんな人がいいなあ。
そして私たちはその軍資金を持って池袋西武の「無印良品」へ向かった。
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